松江赤十字乳児院 里親家庭サポートセンターてのひら

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里親を知りたい方

里親制度の概要・意義

里親とは、社会的養護の担い手として、さまざまな事情により自分の家庭で生活することができない子どもたちを、自らの家庭に迎え入れ、家庭的な雰囲気の中で愛情を込めて養育してくださる方のことです。里親制度は、児童福祉法に基づいて、里親に子どもの養育をお願いする制度です。

里親の4種類

養育里親

親と一緒に生活できるように
なるまで養育する里親

※基礎研修・登録前研修の受講が必要
※養育する子どもは原則18 歳未満
(場合により延長することもあります。)

専門里親

特に支援が必要と認められた児童
を専門的な知識を
持って養育する
里親

①虐待等により心身に有害な影響を
受けた子ども
②非行等の問題を有する子ども
③障がいのある子ども

養子縁組里親

養子縁組によって、養親と
なることを希望する里親

※基礎研修・登録前研修
の受講が必要

親族里親

子どもの扶養義務者及び
配偶者である親族
(祖父母・きょうだい等)
が養育する里親

里親になるための手順

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てのひらへお越しいただき、里親制度の説明をさせていただきます。きっかけ、里親に対するお考え、家族の同意などお話もお聞かせください。

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基礎研修(1日程度)、登録前研修(3日程度/実習含む)を受講していただきます。

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登録に向けて必要書類などの準備をし、児童相談所へ提出していただきます。また、児童相談所職員とてのひら職員で家庭訪問も行います。

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2か月程度の審査を経て登録が完了します。里親認定通知書が児童相談所から送られます。

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里親委託が必要な子どもの状況などを踏まえて、児童相談所が委託を決定します。その後、マッチングを経て子どもの養育をしていただきます。

里親体験談

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里親Hさん

里親になったきっかけと経過

アラフォー結婚でも子供はできるだろうと簡単に考えていた私たち夫婦でしたが、現実はそんなに簡単ではありませんでした。自然に任せていても子供は授かりませんでしたので、不妊治療を開始し、足掛け5年病院通いをしましたが、結果は出ませんでした。その間に養子という方法もあるな、と情報収集を始め、治療をやめた年の2月に児相へ相談に行き、里親についての話を伺いました。児相の方の丁寧な説明もあり、やるだけのことはやってみようという気になった私たち。その後は子供がいる生活を思い浮かべながら、里親研修、乳児院でのボランティア、と出来る限りの活動をする日々でした。いつか報われるだろうと思い過ごしていると、仕事中に突然、児相の課長さんからの電話。「現在10カ月になる女の子の養子縁組里親を探しています、Hさんにお願いしたいのですが」との内容でした。「ぜひお願いします」と答えるのがやっとでしたが、喜びと嬉しさと不安が入り混じった気持ちになったあの数分間は今でも忘れられません。

親子のはじまり

対象の子は乳児院入所中の子でしたので、ボランティア活動を通じて“顔見知り”の子でした。とにかく元気で、乳児院“同期”の子たちの中でも一番はじめにハイハイやタッチができた健康優良児でした。マッチング期間を経て自宅での3人の新生活が始まりました。とにかくじっとしているのが嫌いな子でしたので、すぐに部屋から脱走します、そのための対策が大変でした。台所と子供部屋が隣なのでその間にシーツを使って高さ60cm位のお手製の柵を作り、”危険な”台所に入らせないようにしました。市販の固い素材の柵ももちろんありましたが、“布製”という肌触りが良かったのか、柵そのもので遊んだりして何とか大禍なく過ごせました。改めて子供にとって“感触”は大事な要素と気付かされました。食事は好き嫌いなく食べてくれました。納豆やお刺身なども食べさせてみるとすんなり受け入れました。これからお子さんを迎えられるご家庭では初めての食材は“月曜日等の週あたま”に与えてあげて下さい。週末ですと体調に異常が出た場合、医療機関が休診ですので対応してもらえません。大病もなく3歳となり、初めての“社会生活”幼稚園へ入園します。行き渋りもなく毎日楽しんで登園していました。最初の発表会で見せてくれた、歌と劇では思わず涙腺が崩壊したのを覚えています。まあ周りの親御さんも同じようなものでしたけど。そのとき妻が同じく涙腺崩壊させながらつぶやきました「なんか、親になったのかな」と。

里親になることを考えている方へ

早いもので現在小学3年生になった我が子のランドセル姿を見てときどき不思議な気持ちになります。もし里親になろうと思わなければ今頃どうしていたかな、この子に会うこともなかったろうな。答えは見つかりません。でも思うのです、今こうして子どものいる人生を受け入れたからには、それがきっと豊かなものになると信じて、体力と精神力を鍛えつつ、悩みながら前に進んでいこう、と(すいません肩に力、入りすぎてますね)。現在、里親をお考えの皆さん、子育ては大変です、が、いろんな意味で得るものも、学ぶものも山ほどあります。一歩踏み出してみませんか。

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里親Kさん

里親になったきっかけと経過

新聞で島根県の里親に関する記事を見たことがきっかけでしょうか。双子の育児に苦労した後、3人目は手がかからなかったので、もう一人お預りできるかなという軽い気持ちで研修を受けました。養育里親に登録し、今までに6人のお子さんとご縁がありました。里子が来るたびに、夫と娘3人は寛大な心で見守ってくれています。

最初の委託

初めは家庭生活体験事業の4才の男の子でした。この事業は施設のお子さんが里親宅を定期的に訪れ一般家庭の生活を体験するものです。4才から小学5年生までの間、週末や長期休みに遊びに来てくれました。施設では難しいと思われる食事やお出かけなどを喜んでくれて、こちらも嬉しかったです。職員の方には「毎年のように担当や子どもたちが入れ替わる環境なので、里親さんが長期で継続して関わってくださるのはありがたい」と言っていただきました。

短期の委託

実のお母さんが養育困難な状況になり緊急で依頼されるケースもありました。1才半の女の子を約1ヶ月、2才の男の子を10日間、2才の女の子を3週間など短期の委託です。その間に親族や行政など関係者と共に環境を整えていただき、無事家庭に戻ることができたので安心しました。緊急避難先として少しはお役に立てたような気がします。
また、別の2才の女の子は約1年半お預りしました。家庭復帰を目指していましたが保護者の方が亡くなられたため、委託を養子縁組里親さんに引き継ぎました。落ち着いたご夫婦で忍耐強く対応していただき、今でも女の子の元気な様子を教えてくださいます。
里親同士は連絡を取り合えますし、里親会などの行事もあるので、近況や悩みを共有したり相談することもできて心強いです。

里子への対応

今までにお預りしたのは、虐待、生活保護世帯、障害のある一人親家庭など、困難な状況のなかで保護された1〜4才の子どもたちです。自宅を離れて心細いうえに知らない大人が次々と現れ、車に乗せられ里親宅にやってきます。不安と警戒心でいっぱいです。お腹を満たし、安心感を持ってもらえる距離感で接します。危険な行動以外は大目に見て、昼間たくさん遊び夜ぐっすり眠れるようにします。すぐに泣いたり暴言暴力などもありますが、できるだけ平常心でその場では対応し、家族やケースワーカー、乳児院や保育園などに相談します。
この家とこの人たちは大丈夫、と里子が思い始める頃、委託解除になることが多いです。寂しいですが、うちよりもっと楽しいところに行くんだよ、と明るい雰囲気で送り出すようにしています。

里親登録を考えている方へ

関心を持っていただき本当にありがとうございます。”里親”制度という名称ではありますが、”里子”のための制度です。登録里親が多ければ多いほど、それぞれのお子さんに合う家庭を探すことができます。ぜひ登録をご検討ください。ただ、登録後すぐに依頼されるとは限りません。何年も待ってやっとという方も多いです。必ず委託されるとも限りません。基本的には待ちの態勢です。このことをご理解いただき、ご不明な点やご質問がありましたら、お気軽に声をかけていただきたいと思います。子どもたちの幸せのために、ご協力をよろしくお願いいたします。

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里親って?カフェ

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里親って何?どんなことをするの?どうしたらなれるの?など、
様々な疑問にお答えします。
参加料は無料で、事前申し込みが必要です。
詳細はこちら>


▼下記からお電話ください▼

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里親リーフレット

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里親制度について詳しくご紹介しています。
里親ってどんな制度?どうやってなるの?と、里親について素朴な疑問を解消する情報を
知ることができます。

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出前講座申込

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里親に関する研修を出向いて実施します

QUESTION

よくあるご質問

よくお寄せいただく質問と
その回答をおまとめしました。

QUESTION

「里親」ってどんなことを行うの?

QUESTION

ご自身の家庭に短期から長期に子どもを受け入れ、子育ての支援を行います。

QUESTION

「期間」はどのくらい?

QUESTION

子どもへの支援内容によります。週末、長期休み、数年等、期間はさまざまです。

QUESTION

どんな子どもを受け入れるの?

QUESTION

様々な事情により、家庭で過ごすことの出来ない0〜18歳未満の子どもです。(20歳までの延長もあり)

QUESTION

さまざまな事情とはなんですか?

QUESTION

保護者の死亡、保護者の行方不明、保護者の病気・入院、保護者からの虐待などです。

QUESTION

「里親」になるにはどうしたらいいの?

QUESTION

里親登録が必要です。まずは、お近くの児童相談所や里親家庭サポートセンターてのひらへご相談ください。里親希望者の方の人柄やご家庭の様子を知る必要があるため、児童相談所やてのひらの担当職員が面接や家庭訪問を行います。制度や子どもの理解を深めるための研修もあります。

QUESTION

里親になるために資格は必要ですか?

QUESTION

所定の研修を受けるなど一定の要件を満たしていれば、特別な資格は必要ありません。欠かせないのは、子どもの養育に対する理解と熱意、そして子どもへの豊かな愛情です。

QUESTION

子育ての経験がなくても、里親にはなれますか?

QUESTION

大丈夫です。里親として子どもを迎え入れるために必要な知識などは登録前の研修で身につけることができますし、児童相談所やてのひらの職員などが電話や訪問により疑問や悩みをお聞きして一緒に解決方法を考えます。さらに地域の里親会による支援や交流活動もあります。

QUESTION

研修内容は?

QUESTION

「里親基礎研修、登録前研修、更新研修(5年更新)」があります。島根県では、里親基礎研修は1日、登録前研修は3日間行います。研修内容は、里親制度の基礎、子どもの理解、養育の基本、養育上の課題、施設見学等です。研修を受けることで、子育てのサポートをするための知識を身につけるとともに、家庭へのスムーズな受け入れができることを目的として行います。

QUESTION

共働きの里親へのサポートはありますか?

QUESTION

里親として迎え入れた子どもも、必要に応じて保育所や放課後児童クラブを利用することができます。

QUESTION

里親とは養子縁組のことですか?

QUESTION

里親には養子縁組を前提とする里親や、事情があって家族と生活できない子どもを一定期間養育していただく養育里親などがあります。里親=養子縁組ではありません。

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